皆様
5月23日(土)に東京の全国町村会会にて、当研究会の公開研究会「中国との歴史戦をどう戦うか-南京事件を中心に-」が開催されました。多くの方々がご来場され、盛況となりました。この場をお借りして御礼申し上げます。
今回は主に「南京事件」に焦点を当て、日本軍が中国民衆を計画的組織的に虐殺した証拠がないことを改めて明らかにし、現在でも多くの日本人が「大虐殺」は事実であると勘違いしてしまう問題点を浮き彫りにしました。

立命館大学名誉教授である北村稔先生は「南京事件と映画『南京照相館』」というタイトルで講演され、中国側が主張する「大虐殺」の根拠は捏造であると説明されました。日本軍による虐殺を立証できない平穏な様子を写した写真や映像に「平民を生き埋め」にし、「無辜の人々を銃殺し、大音響で平民を爆破する」という出鱈目な説明をつけているに過ぎず、学術的な根拠がないことを指摘されました。
このような手法は、中国では「誣告(ぶこく)」と呼ばれており、長い歴史を通して、中国では常態化しているといいます。『歴史認識問題研究』創刊号に北村先生の「中国人と誣告ー歴史問題化の手法」が掲載されていますので、是非、こちらもご高覧ください。

近現代史研究家の阿羅健一先生は「外務省HP、民間人殺傷の問題」というタイトルで講演され、日本の外務省がホームページで日本軍による「非戦闘員の殺害や略奪行為があったことは否定できない」と明記された歴史的経過とその背景を説明されました。1982年の教科書誤報問題をきっかけにして、日本の政界内で南京事件を否定する動きが抑圧されたことを指摘し、虐殺の根拠となった資料(『戦史叢書 支那事変陸軍作戦(1)』など)を挙げました。
しかし、こうした資料は日本軍による計画的組織的虐殺があったことは否定しており、南京付近の死体は戦闘行為の結果によるものが大半であったと記しているのみでした。したがって、現在の外務省ホームページの記述には大きな問題があると阿羅先生は主張します。
その後、ディスカッションが行われ、当研究会の顧問である、ジャーナリストの櫻井よしこ先生も参加されました。

このディスカッションにおいて、西岡会長より提案が行われました。外務省のホームページに掲載されている「問6 『南京事件』に対して、日本政府はどのように考えていますか」という設問の1番目の回答に「日本政府としては、日本軍の南京入城(1937年)後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています。しかしながら、被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定することは困難であると考えています」という記述があります。西岡会長は、ここに註を付けることを提案しました。
阿羅先生も指摘したように、虐殺の証拠とされていた『戦史叢書 支那事変陸軍作戦(1)』には、軍紀風紀逸脱行為が頻発していたことは否定できないが、計画的組織的な「虐殺」とは言いがたいことが明記されています(436~438頁)。この箇所を註として付ければ、外務省ホームページの文言を変えずに、南京で日本軍による虐殺が行われたという証拠がないことが明らかになります。西岡会長のこの提案に、北村先生、阿羅先生、櫻井先生も賛同しました。
櫻井よしこ先生は、情報を広く発信することの重要性を力説しました。習近平国家主席が生きていく限り、日本と中国の歴史問題に関する和解はあり得ず、むしろ中国は現在、嘘の情報を巧みに操って、日本国内を分断する工作に注力していることに警鐘を鳴らしました。客観的で正しい情報を意識的に行わなければ、嘘の歴史が事実であるかのように扱われる危険性を示唆し、AI時代を迎えた新たな情報戦、歴史戦に備える重要性を解説されました。
同公開研究会の内容は『歴史認識問題研究』第19号(本年9月下旬発行予定)に掲載いたします。

