西岡力会長の「今週の直言」

皆様

 当研究会の西岡力会長が国家基本問題研究所の「今週の直言」にて、慰安婦像撤去運動を展開してきた金柄憲氏が逮捕されたことに関する記事を発表しました。

 以下、国家基本問題研究所のサイトと西岡会長の記事を記載いたします。

国家基本問題研究所「今週の直言」
           【第1356回】韓国の「言論の自由」後退を憂える

西岡力(国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授)

 3月20日、韓国で慰安婦像撤去運動を展開してきた金柄憲・慰安婦法廃止国民行動代表が逮捕された。韓国の法治と言論の自由が大きく揺らいでいる。隣人として強い憂慮を感じる。
 2月16日付の本欄で伝えたように、李在明大統領が1月にSNSを通じて金氏の活動を「死者名誉毀損」と決めつけた後、警察は家宅捜索を1回、警察署に呼んでの取り調べを2回行った。3月17日、検察は警察の要請に応じて金氏の拘束(逮捕)令状をソウル地裁に請求した。韓国の場合、裁判所による令状事前審査がある。20日、ソウル地裁は事前審査を行った。金氏は一次資料を示して「日本軍によって強制動員された慰安婦は一人もいない」という正論を展開したが、「逃亡の恐れがある」という理由で令状が発付され、金氏は拘置所に連行された。

 ●慰安婦像撤去運動家を逮捕
 裁判所は、金氏が日本の市民団体と密接な関係があるから日本に逃亡する恐れがあるとした。しかし金氏側は、既に出国停止とされており、日本に逃亡するには密航するしかない、と憤慨している。
容疑は集会示威法違反、死者名誉毀損、情報通信網上名誉毀損、児童福祉法違反だ。
 集会示威法違反とされた行為は、慰安婦像を建てている高校の近くでの集会が不許可となったので、「校庭に慰安婦(売春婦)像を建てて売春進路指導をするのか」と書いた横断幕を掲げて記念写真を撮っただけだ。拡声器を使わなかったのはもちろん、肉声でも何も話さなかった。令状にもその時間が1分間と7分間の2回と明記されている。これが集会になるなら、記念撮影はすべて違法集会になるはずだ。
 名誉毀損の被害者とされたのは、故吉元玉氏、李容洙氏、朴必根氏の3人だ。金氏が「吉元玉は日本軍に連行されていない」「李容洙は貧乏で日本人がワンピースと革靴をくれたので快くついて行ったと話した」「朴必根は日本で慰安婦生活をしたと話したが、日本には慰安所はなかった」と主張したことが虚偽による名誉毀損とされた。しかし、金氏の主張は挺身隊問題対策協議会が編纂した証言集を根拠にしており、それを虚偽ということはできないはずだ。

 ●「国を挙げてウソをつく」
 金氏は3月初め、「私は法を犯すような活動を一切していない。違法集会をしないように黙って写真だけ撮って帰った。虚偽に基づく名誉毀損ももちろんしていない。日本軍によって強制連行された慰安婦は一人もいないと言っているだけだ。起訴されれば、法廷で元慰安婦たちを法廷に呼んで日本軍による強制連行があったかどうかをはっきりさせたい。その意味で裁判は良い機会だ。私たちは真実のために活動している。日本のために活動しているのではない。国を挙げてウソをついている今の状況は韓国にとって良くない」と語っていた。(了)

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